この俺が幽霊に恋をした!?
「悪い玲斗、吉原。行ってくる」
「うん。頼んだよ」
と、安心した表情を浮かべた玲斗。
「萌絵ちゃんに……ごめん、って伝えてくれないか?」
と、寂しそうに微笑んでみせた吉原。
「任せろ」
そうして俺は手早く着替えると、髪が濡れたままであるのも気に止めずに走り出した。
「どこにいるんだ……萌絵」
去り際の表情が頭から離れてくれない。
あの時の彼女はまるで、何かを諦めたようだった。
「ごめん萌絵……萌絵、ごめん……」
謝りたい。
そして、仲直りをして―――
もう1度あの柔らかな笑顔がみたい。
待ってろ萌絵……
いま、探しに行くからな――。