強引な彼との社内恋愛事情
数分で、この前行った公園の入り口が見えた。
「あっ」と小さく声を漏らした。
満開だった桜が、花弁を落とし始めていたからだ。ところどころに見える緑の葉に新しい命を感じる。
また来年といったところだろうか。
「停めて下さい」と広重が言った。スマホを耳から離した。通話が終わったところみたい。
「運転手さん。私、駅前」と言うのに、広重は涼しい顔で財布からお札を取り出し礼を言う。
無理矢理、私の手を引っ張った。
「ちょっと。広重、なんなの?それより相談は?」
「終わりかけの桜もいいですね」
「人の話、聞いてる?」
「桜吹雪って本当に雪みたいですよね」
「だから吹雪なんでしょ?」
「千花さん。俺と付き合いません?」