強引な彼との社内恋愛事情



「ついにこの日が来てしまったのか」


行った先は馴染みの梶間食堂。

たぶんニ日にいっぺんは来てると思う。
やっぱり500円で定食が食べられる安さは嬉しい。


ご飯のお代わりはタダだし、生卵もご自由にどうぞでお得な気分が倍増だ。
おまけに、わりかしうまいときた。


日替わり定食はサバの味噌煮だった。

それを待ちながらボヤッと呟いてしまった心の声。


広重が、目の前にいるせいだと思う。


さっきから田原さんのことばかり考えてしまっていたのは。

結婚なんていつかすると思っていたけど、急にはちょっときついだろって。


「千花さん。そんなに思っていたんですか?」


広重にしては真面目な顔だった。
普段、ヘラヘラしてるからこんな顔もできるのかってことに驚いてしまう。

だけど、すぐに「へっ?」と言われた言葉に驚いた。

もしかして、広重、気づいていたのか?
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