強引な彼との社内恋愛事情
「……田原さん」
「ん?」
「結婚するんですって」
「誰が?」
「あんなことひとつの男です」
「……ああ。そうなんだ」
「あの彼女とゴールインしたそうで。ご丁寧に彼女から私に報告メールが送られてきました。なんの嫌味かと思いました。間違えだとしてもあり得ない女って嫌悪感でいっぱいです」
「ははっ」
「私は幸せですって嫌味ですかね?一年以上前の話なのに、彼に近づかないでってアピールですかね?」
「だったら、根が深いな。女って恐い」
「あんな男、のしつけられてもいらないです」
「すごい言いぐさだな」
「綺麗さっぱり忘れましたから」
「それはなによりだけど」
ギュウッと胸が苦しくなった。
言葉が込み上げてきて、いつものように抑えこむ。
だけど。