ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
それを見送りながら、私は一人残される。
腕の中では、拓斗君がはしゃいでいた。
「あ……。和美先輩、私もそろそろ……」
「ん」
小さく頷いて、和美先輩は私から拓斗君を受け取った。
そして、仕事中とは全然違う優しい瞳を拓斗君に向けた。
「正直、萌が倉西君と結婚するって聞いて、大丈夫かな、って思ってたの」
その言葉にドキッとして、私は黙ったまま和美先輩を見つめた。
「でも、心配いらないかな。今の萌、頑張ってるみたいだから」
そう言って私に向ける瞳は、指導担当者としてのちょっと厳しい力を帯びていた。
「私はちゃんとお手本示したんだから。萌も育休とろうが退職しようが、赤ちゃんの顔見せに挨拶に来ることっ!!」
「は、はいっ……」
勢いに飲まれてそう返事をすると、和美先輩は満足そうに、よし、と頷いた。
「……っつーか。どんなビジュアルになるのかしらね~。萌と倉西君の赤ちゃんって」
和美先輩の言葉につられて、つい私も想像した。
私と響さんの間に生まれる赤ちゃんって……。
響さんに似てくれたら、どんなに可愛い赤ちゃんになるんだろう。
妄想に妄想を重ねて、私はいろんなことを想像して、そして、ハッと我に返って頬の筋肉を引き締めた。
腕の中では、拓斗君がはしゃいでいた。
「あ……。和美先輩、私もそろそろ……」
「ん」
小さく頷いて、和美先輩は私から拓斗君を受け取った。
そして、仕事中とは全然違う優しい瞳を拓斗君に向けた。
「正直、萌が倉西君と結婚するって聞いて、大丈夫かな、って思ってたの」
その言葉にドキッとして、私は黙ったまま和美先輩を見つめた。
「でも、心配いらないかな。今の萌、頑張ってるみたいだから」
そう言って私に向ける瞳は、指導担当者としてのちょっと厳しい力を帯びていた。
「私はちゃんとお手本示したんだから。萌も育休とろうが退職しようが、赤ちゃんの顔見せに挨拶に来ることっ!!」
「は、はいっ……」
勢いに飲まれてそう返事をすると、和美先輩は満足そうに、よし、と頷いた。
「……っつーか。どんなビジュアルになるのかしらね~。萌と倉西君の赤ちゃんって」
和美先輩の言葉につられて、つい私も想像した。
私と響さんの間に生まれる赤ちゃんって……。
響さんに似てくれたら、どんなに可愛い赤ちゃんになるんだろう。
妄想に妄想を重ねて、私はいろんなことを想像して、そして、ハッと我に返って頬の筋肉を引き締めた。