ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
って、何?


強引な女性が群がるあの場に駆け込んで、私はどうしようと言うんだろう。


今まさに、私は響さんに似合わないって改めて自覚したばかりなのに。
割って入って響さんを独り占めしようとしてる?


『え~? この子が奥様なの~?』

『やだ、ぜんっぜん似合わないし~』


数秒後に向けられる罵声に近い非難を、嫌ってほど想像してしまう。


女性達に取り囲まれて、響さんは眉間に皺を寄せながら軽く腕時計に目を遣った。
そして、サッと辺りに視線を向ける。
その瞳が、私を探していることがわかった。


なのに私は駆け寄るどころか、一歩後ろに後ずさった。
そして、響さんに見付からないように、そのままお寺の出口向かって走り出していた。


自分の胸に過った独占欲に戸惑っていた。


嫌だ、って。
触らないで、って。


こんなのまるで嫉妬みたいで、この醜い感情をどうしていいかわからない。


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