ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
名前を呼ぶ声に。
優しく髪を掻き上げてくれる手に。
意地悪に胸の先を弄る指に。
熱い温もりと鼓動を伝えてくれる肌に。


そして、とびきり甘いキスをくれる唇に。


私の全てが響さんでいっぱいになる。
熱に浮かされて夢見心地になって、意識が遠く離れて行ってしまいそうになる。


熱い。
肌も吐息も、感じる物全てが熱い。


無意識に漏れてしまう自分の声を聞くのが恥ずかしくて堪らない。


「……萌、力、抜いて」


少し掠れた響さんの声。
同時に、響さんがベッドについた腕が、ギシッと軋んだ。


「……え?」


弾む息で胸を上下させながら、私は虚ろに響さんを見つめた。
響さんは苦笑混じりに顔を歪めて、私の唇に優しいキスを落とす。


「大丈夫。俺に全部委ねて」


そんな一言と同時に私の身体を貫く熱に、一瞬、呼吸の仕方すら忘れた。


ベッドが大きく軋む音。揺さぶられる身体。
堪え切れない声があまりに甘くて、理性の全部が吹っ飛ぶ。


「響、っ……」


その瞬間、無意識に叫んだのは、愛しい人の名前。


頭の中が真っ白になる感覚。
それと同時に、響さんの身体も、ビクンと大きく震えた。
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