ウェディングロマンス~誓いのキスはふたりきりで~
そっと触れ合わせたキスは、まるで二人の誓いの再現のように。
そして、深く踏み込んで行くキスは、恋人同士の濃密な一時への幕開けのように。


「……萌、おいで」


唇を離して、響さんが私の耳元でそう囁いた。
甘く低く耳に響く誘いに、ドキッと鼓動が跳ねた。


その反応を見透かしているのか、響さんはクスッと笑うと私の腕をグッと引いた。


向かう先は、かつての響さんの部屋で、今は私と響さんの寝室。
ドアの向こうには、大きなダブルベッドが置かれている。


毎晩一緒に眠っているのに、誘われて足を踏み込むのは、まだドキドキしてキュンとしてしまう。


緊張して赤い顔を隠すように俯けながら。
小さく頷いて、足を一歩踏み出す。


開けたドアを手で押さえて、私を待ってくれている響さんの後に続いた。


二人の寝室に足を踏み入れる。


そして、私の背中で、ゆっくりドアが閉まった。
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