「光と闇」~その真の姿とは~ <完>
光の巫女と闇の巫女
村長と双方の親との話し合いにより、双子は、別々の日に家の外へと出してもらえるようになりました。


しかし、もうひとりの自分に会うことは、決して許されません。

強く、強く、禁じられました。


でも、どうしても会いたかった女の子たちは、せめて自分の思いが通じるよう、出会った木の下に、どちらともなくメッセージを残すようになりました。


会えなくても、大切に思う気持ちが伝わるように…


そして、次第に双子に纏わる噂がたちはじめました。



片方の子を見た翌日には、好天に恵まれ、もう片方を見た翌日には、恵みの雨が降る…



次第に噂は大きくなり、好天をもたらす女の子が太陽の光を呼び寄せる“光の巫女”と呼ばれ、雨天をもたらす女の子が雲を呼び寄せる“闇の巫女”と呼ばれるようになったのです。

< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop