アフター7の婚約者サマ!?







次の日出勤すると、奥のデスクには八王子さんの姿があった。始業前だというのに、もうパソコンに向かい真剣な顔でキーボードを叩き続けている。

いつも通りの彼の様子に、ホッと胸を撫で下ろした。

良かった、治ったんだ……。

安心して、私も自分の席につこうと椅子を引いたとき、ふと八王子さんと目があった。


昨日までなら、確実に目を反らされるか、恐くて自分から反らしてしまうかのタイミング。

だけど今日は違う。

目があった瞬間から、時間がゆっくりと流れるかのように感じる……。

じっと私を見つめる瞳は真剣で、まるで一秒さえも惜しむかのようで……。

顔が火照っていくのを感じながら立ち尽くしていると、フッと八王子さんは笑い、唇を小さく動かした。

"ありがとう"って。

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