ラブレッスン
そんな私を見て、部長は柔らかい笑みを浮かべる。





『仕事中は今まで通り、プライベートではこうして二人の時を楽しもう。』






「はい。」






正直ありがたいと思った。





ここ何日間か経験したことの無い注目を浴びてた気がする。





そこに相田部長との仲でまた騒がれるのは少し、いえ…かなり抵抗があったから。





だから私は部長の提案を喜んで受け入れた。






車を降りて相田部長の車が見えなくなるまで見送ってから部屋へと向かう。





あら?






家の玄関のドアノブに何か紙袋が引っ掛かってる?






中を覗くと見覚えのあるお弁当箱が入ってた。






結城歩へと渡したお弁当だわ。






わざわざ…届けに来てくれたの?






エレベーター内で会ったのに、あの時渡さなかったのは相田部長がいたから?





部屋に入って蓋をあけるとちゃんと洗ってくれていた。




だったら返すのなんて明日でも良かったのに。





けど、丁度良かったわ。
また明日このお弁当箱に詰める事が出来る訳だし。





そう思いながら自分のお弁当箱を開けて、食べられなかったおかずを三角コーナに投げて洗った。



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