ラブレッスン
家の前に辿り着いて、気まずいままシートベルトを外す。





「送ってくれてありがとうございます。」







結局気持ちは変わらないと思ってるのに、はっきりと断れないままだった。












家に入ってそのまま寝室へ行き、仏壇に飾ってある父と母の写真を見た。












お父さん…形見のしおり…手元に戻らないかしれないわ。





ごめんなさい。





でもきっと…






私の好きな人がしっかりと持っててくれると思うの。




私のものを大切な人に渡したって思えば諦めもつくわ。





お父さんの思い出はちゃんと胸に残ってるから。






だから…もういいかな?















もう結城歩との関係を終わらせよう。






私がしおりを諦めれば、結城歩とはもう関わらずに済むもの。











この状況を…私が終わらせる。





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