ラブレッスン
ちょっと待ってよ。



体でたぶらかす?



たかだか服装変えただけでそこまで言われる意味がわからないわ。





イライラしてた私は更に苛ついて、喫煙室に向かって歩き出し、ドアに手を伸ばして開けようとした。





開けた後の事なんて何も考えてなかった。




きっと開けても文句なんて本人を目の前にしたら言えなくなるだろう。




いつだってそうだった。
言いたいことは言えないタチだもの。





それでも!体を使って

よりによって結城歩に言い寄ってるだなんて思われてる事がどうしても許せなくて





勢いでドアに手をかけた瞬間






その腕をがっしりと捕まれて、驚きのあまり息が止まった。





「!!?」





振り返った先にいた人物を見て、更に驚いてしまう。




目を見開いたまま見上げてた私に、『静かに。』と声を潜めて言い、掴んだ腕をそのまま引っ張って歩き出す。





すぐ側の会議室を開けて中に入ってドアを静かに閉めたのと、


喫煙室から沢木さん達が出てきたのはほぼ同時の事だった。



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