ヒスイ巫女3

友達

ヒスイは外に出る事を固く禁じられていた。
理由は1つ次期巫女が負傷しては人々に衝撃がはしるから
そんなこんなでヒスイは楼宮の中でしか誰とも会えなかった。そのおかげか
楼宮は以前のような寂しい雰囲気はせず明るいいきいきとした雰囲気になっていた。
これもそれもヒスイの人柄をおかげだろう。
ヒスイの周りにはたくさんの友達がいた。その中で一番の友達・・・親友は
「緋音ちゃん!」
緋音である。
「ヒスイ!昨日ぶり〜」
二人とも笑顔で本当に仲の良い高校生のような風にみえる。でも二人は普通の生活は送る事ができない。これも定められた事・・・だからこそ二人はこんなに仲良くなれたのかもしれない。
「最近お兄ちゃんー陸様はどうなの?」
妹であるヒスイでさえも高貴な方と言うことでお兄ちゃんと呼ばずに陸様と呼ぶよう決められた。でもまだなれずよく間違えてしまう。
「陸はね…忙しいみたいでこの頃会えてないな…」
陸は次期巫女として覚える事が多くあるらしくあまり楼宮に帰ってこない。でもわずかな時間を見つけたら緋音に会いに来ている。
「今日は会食だったけ?」
「そうなの、黒の国と会食」
「私も行ってこようかな…?」
「ヒスイ!」
緋音は声を大にして怒った。
「そんな事言っちゃダメもしも巫女様の耳に入ってもしたら大変な事になる!」
小さな声で話していたがそこには緊迫感が漂っていた。
ヒスイがもし無断で外に出たとするともう緋音達には会えない。巫女様が陸に変わるまで部屋を出る事を許されず、ただ力を使いその部屋にやってるくる人々を救うだけの人生になる。
その状態になると誰もヒスイの事を救えない誰とも会えない。そんな監禁状態になってしまう。このことを知っていたから緋音はヒスイの言葉を止めた。
だから昔陸や蒼は外に許可なしに出る事をヒスイと蛍から禁止していた。
ヒスイは優しく微笑み
「そんな不安そうな顔しないで私はそんなことしないから」
緋音の警戒心を解いた。
本当の姉妹みたいになっていた。
二人はその後いつも通りの二人の会話に戻った。
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