アイザワさんとアイザワさん

「あ、あのっ、新しい店長さんはまだいらっしゃらないんですか?」茜さんが会話を続けてくれた。

「あー、あいつねぇ。引き継ぎが忙しくて。もうすぐ来るでしょ。」

と言いつつオーナーは名乗る。
「あらためて、はじめまして。相澤 龍臣 (あいざわ たつおみ)です。これからよろしくお願いしますね。」

……アイザワ?

同じ名前ですか?
組員だって勘違いされたらどうしよう……

ってか、名前に『龍』って!まんまじゃん。
差し出された名刺を見て思わず笑ってしまう。


戸惑いと半笑いで挨拶を交わした時、マンションのチャイムが鳴った。


「あ、来たね。」
オーナーはそう言って玄関へと向かった。
いよいよ、店長とのご対面だ。


「すみません。遅くなりました。」

挨拶をしながら、オーナーに続いて部屋に入って来た男を見て私達は息を飲んだ。


飲み過ぎて心臓が止まるかと思った。


ちょっと、こんな都会でもない所では、めったにお目にかかれないくらいのレベルのイケメンだった。
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