アイザワさんとアイザワさん

あまりの温度差に落ち込んでいる私に相澤はしょうがないな、と笑いながら、


「まず明日シフト入ったらすぐに九嶋にお礼を言っとかないとな。後は……店に入ってからでいいや。」


と、きっちりしている相澤らしくない返事をした。


「……なんだか雑じゃないですか?」
と私が口にすると、


「無計画で雑な奴に言われたくないんだよ。」
そう言って相澤は楽しげに微笑んだ。


「とりあえず今日は夜勤まで店にいる予定だったからな……」


「このまま家に帰るのもまずいしな……お前の家に行ってもいいよな?」


何がまずいのかはよく分からなかったけど、やっぱりこのまま帰るって訳には……いかないよね。そうだよね。


家に行ったら……そのまま『おやすみなさい』って訳にはいかないってことも……。


覚悟は勿論してなかった訳じゃない。
もう……既にそんな関係には……なってるんだから。

< 195 / 344 >

この作品をシェア

pagetop