アイザワさんとアイザワさん

水元先生には二人の双子の息子さんがいた。
二人とも実家の『水元医院』に勤めるドクターだった。

かっこよくて気さくな若先生と、人付き合いは苦手そうだけど、優しいレオ先生。


とても懐かしい名前だった。
二人はよくデイサービスに来てくれていた。


二人は……今もあの場所で元気にしているのかな?


訪ねたい気持ちはあったけど、逃げるようにボランティアをやめてしまった私は行くことができない。


次に水元先生のところに行くことがあるとしたら、私が心の蓋を開け損なって心が壊れてしまった時しかない。


そんな時は来ないからね。安心してねとおばあちゃんに話かけつつ、私はお墓に手を合わせた。

おばあちゃんを忘れないで覚えてくれている人が来てくれてよかったね。


私も忘れないでいるからね。


おばあちゃんのことを。


……自分がしてしまったことを、ずっと。


全部忘れずに、それでも私はおばあちゃんが願ったように『清く、正しく、美しく』生きる。


生きたいと思って自分に魔法をかけ続ける。


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