アイザワさんとアイザワさん

「さ、どういうことか話してもらいましょうか。」

電話から3日後。赤ちゃんとの感動の初対面もそこそこに、私は鞠枝さんのアパートで鞠枝さんからの質問責めにあっていた。

えーん……もっと赤ちゃんと触れ合わせてくださいよー。


唯ちゃん経由でばれてしまったとは言え、このまま自分一人の胸にしまっておくのは限界で、たぶん遅かれ早かれ鞠枝さんには相談することになっていたと思う。


それくらい、私は今の状況をもて余していた。


私は、今までの相澤とのやり取りや、なぜか昔からの自分を知っているような気がすることまで、すべてを話してしまった。


「で、初花ちゃんの気持ちはどうなの?」

聞き終わると鞠枝さんはそう言った。


「分からないんです……」
私はこう答えることしかできなかった。


「でも、相澤さんは初花ちゃんのこと好きだと思うよ。」

鞠枝さんが信じられない一言を言った。


スキ?誰が、誰を??


頭で理解不能になった言葉はそのまま口から飛び出してしまった。そんな私に鞠枝さんは説明するようにこう言った。


「初花ちゃんのことを、いつから知っているかは置いといて……相澤さんね、時々だけど初花ちゃんのこと凄く優しい目で見てるのよ。普段の態度は照れ隠しみたいなもんね。だって『好きなひとがいる』って言ってたじゃない。」
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