病院嫌い〈2〉




コンコン




──ガラッ




『……ハアハアハアハアハアハア』




走ってきたみたいで、息をきらした彩夏先生と




『……直輝!! 話って何だ…?
夏帆は大丈夫なのか…?』



すごく心配そうな顔をしながら聞いてくる春樹先生



『今日、夏帆心臓発作を起こして
急患に運ばれてきて………
症状から多分狭心症だと思います』



俺がそう言うと静かな病室に彩夏先生のすすり泣く声が聞こえる



『彩夏、大丈夫だよ。
直輝がいてくれるし俺だって夏帆のことを支えるから』




『ウッ 私の……せいで
私が病弱……で夏帆……のこと…健康に
産んで…あげられなかった ゲホッ ハアハアハア』




『それは違うよ
彩夏のせいなんかじゃない
だから落ちつこう。』




『春樹も…夏帆も…ごめんね…。…ハアハアハアハアハアハア 迷惑ばっか……かけて ゲホッ ゲホッ』




だんだんと喘息の苦しそうな咳になっていく彩夏先生……



『彩夏先生!!
大丈夫ですか…?』




『直輝、彩夏のことは俺がなんとかするから
夏帆のことこれからもよろしくな』



『わかりました』


   


















< 137 / 150 >

この作品をシェア

pagetop