理屈抜きの恋
1
携帯の地図アプリを開き、目的地までの道程を確認する。
「駅から20分って…意外と遠い…。」
履き慣れないヒールの高い靴なんて履いて来るんじゃなかった。
膝が変に曲がったままの不恰好な歩き方で20分も歩けば、腰は痛いし、踵には靴擦れが出来る前のピリピリした嫌な感じがする。
駅に着いた時には夕焼け空だったのに、辺りはだいぶ暗い。
携帯の時計は予定の時間を5分過ぎている。
焦る気持ちから早足になると踵の嫌な感じが違和感に変わり、目的地が見えてきた頃には痛みに変わっていた。
それでも時間内に到着出来る事が分かれば安堵し、携帯の画面に表示されている地図を消す。
あと20m。
あと10m。
残りの距離をカウントダウンして必死に歩く私の横を、一台のバスが通り過ぎた。
左折のウインカーが気になり、バスの行き先を見てみれば、バスが曲がったのは私が必死に目指しているゴール地点。
降りて来る人たちはみんな同じように綺麗な格好をしていて、優雅に降りて来ては、迎えてくれるスタッフに笑顔で応えていく。
シャトルバスの方が早かったなんて。
「駅から20分って…意外と遠い…。」
履き慣れないヒールの高い靴なんて履いて来るんじゃなかった。
膝が変に曲がったままの不恰好な歩き方で20分も歩けば、腰は痛いし、踵には靴擦れが出来る前のピリピリした嫌な感じがする。
駅に着いた時には夕焼け空だったのに、辺りはだいぶ暗い。
携帯の時計は予定の時間を5分過ぎている。
焦る気持ちから早足になると踵の嫌な感じが違和感に変わり、目的地が見えてきた頃には痛みに変わっていた。
それでも時間内に到着出来る事が分かれば安堵し、携帯の画面に表示されている地図を消す。
あと20m。
あと10m。
残りの距離をカウントダウンして必死に歩く私の横を、一台のバスが通り過ぎた。
左折のウインカーが気になり、バスの行き先を見てみれば、バスが曲がったのは私が必死に目指しているゴール地点。
降りて来る人たちはみんな同じように綺麗な格好をしていて、優雅に降りて来ては、迎えてくれるスタッフに笑顔で応えていく。
シャトルバスの方が早かったなんて。
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