理屈抜きの恋
「まずは食事をとってから真美ちゃんの所に行かない?一緒に写真撮ってもらおうよ。」

そう誘うと、ニコっと笑って頷いた。
可愛い細井さんには悲しい顔よりも笑顔の方が似合う。

それを機に食欲が開花した細井さんはお皿山盛りの料理を3皿ペロリと平らげた。
その前に1皿分食べていた私だったけど、美味しそうに食べる細井さんを見ていたら食欲が増してきて、一緒になって食べてしまう。

新郎新婦の元へ行く時には妊婦にでもなったかのようにお腹をさすって歩いていた。


「おめでとう!」
「おめでとうございます!」

「ありがとう!」

「真美さん、綺麗です!私も早く結婚したい!」

私も、って言いたいところだけど、ウエディングドレスを着ている自分がどうにも想像出来ない。

黙っていると真美ちゃんが私に向かって声を掛けてきた。

「旦那の同級生とか、イケメン集まっているからゲットして行ってよ!ゲームも用意してあるから!頑張ってね、撫子。」

ウインクして笑った真美ちゃんの顔は超綺麗だけど、ゲームなんて。
真美ちゃんたちのように上手くいくとは思えないんだけど…。
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