理屈抜きの恋
どうしたんだろう。
普段のドキドキとはまた何か違う感覚がする。
このあまりにも華やかな雰囲気に圧倒されているせいもあるのだろうか。
周囲の方たちも華やかな恰好をしているし。
まるで別世界だ。

ここにスーツは確かに相応しくない。
ドレスで良かった。

でも、ドレスの丈が短くて落ち着かない。副社長を見習ってピンと背筋を伸ばすけど、そうすることでさらに丈が短くなってしまう。
手で伸ばしてみるけど、効果はない。

「さっきから何しているんだよ?」

「丈が。」

そう言うと、先を歩いていたはずの副社長は私の隣に立ち、裾を引っ張っている私の手を取った。

「なな何ですか?!」

「大丈夫だ。君の足は美しい。」

「は?」

「何度も言わせるな。」

見上げてみれば少しだけ頬を染めた副社長の顔があった。

「顔、赤い…」

「うるさい。それより、腕を組め。」

「はい?」

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