「この顔見るのは“俺”限定」
あたしと一緒にまわってくれるの? とか。



そんな都合のいいことを、一瞬のうちに考えちゃった。



冷たい瞳を落とされなければ、冷ややかな声を聞かなければ。



あたし、汐見廉にすがりついちゃってたかもしれない。



“怖いよー”って。



“このまま、あたしと一緒にまわってよ~!”って。



あ……危なかった。



あやうく、醜態をさらすところだった――っ!!



唇をギュッとかみしめる。
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