恋の仕方がわからない
1
「……え?今、何て?」
アホみたいに間を開けてしまった。
「だから…彼氏出来た」
ため息をつきながら呆れた様に言う親友。もう何度聞き返したのか自分でも数え忘れた。
なんだって?こいつに彼氏?
「え?」
「奈子…受け入れたくないのはわかる…。でも親友の幸せを祝うくらいはしてくれないか?」
肩に置かれた親友の手の上に自分の手を重ねる。
「おめでとう、由香。そして死ね」
「おい」
中学の時からの親友、柳瀬由香(やなせゆか)。
今の会話でもわかるようにサバサバしている彼女に今まで色恋の話なんて聞いたことがない。
何かを「かっこいい!」と言っているかと思えばアニメのキャラ。
まぁ、あたしも言えたことじゃないか。「由香の好みに合うようなハイクオリティな三次元の男が居たのか」
「まぁ、そんな悲しむなよ。奈子の事も忘れないさ。あんたもさっさと彼氏作んな」
「それが出来たら苦労してない」
だいたい、ブサイク•アニオタ•女子力皆無と三拍子そろったあたしに彼氏なんてできる訳が無い。
その上…。
「…まあ無理か。奈子、男嫌いこじらせてるもんね」



そう、あたしは男という人種が大嫌いだ。














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