課長と私

「せーんぱいっ!!!!」

「…あれ、なんか不機嫌だね楓ちゃん。」

「そうですか?何でだと思いますー??」

「…誰かに見られた?」


この人…もう分かってるな。

私は分かりやすい苦笑いを解いて、ため息をついた。
いつものように助手席に座る。


「どうするんですか…よりによって、藤崎に見られました………っていうか何でこんな分かりやすいところにつけたんですかぁ…」

「だって、つけたかったし。」

「まさか…そんな理由で…!!」


あまりの衝撃に顔を手で覆う。


「嘘。」

「嘘…?」


私の両手を顔から引きはがす。
目の前には整った顔が思ったよりか近くにあった。


「見せつけるため。藤崎に。」

「へ…?」

「わざとやった。」


そう言って手を離すと、正面を向いて車のエンジンをかけた。

ポカンとしている私をおいて、車は発進する。


「何でですか……」

「言わない。」

「何で藤崎に見せつけるためにわざとやったんですか。」

「内緒。」


もう!!!
全然分からない!!!!


こういう時はあれだ。
緩奈姉さんにテレフォンだ。

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