課長と私
チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえる。
あれ、これ前にやったような…
まぁいいか。
「ん……」
少しだけ寒気がして目が覚めた。
でも背中は温かい。
近くからは静かな息遣いが聞こえる。
眠い目をこすりつつ後ろに視線をうつす。
見慣れていて、でも、いないと不安になるその人はいつも通りの整った顔で優しく私を抱きしめてくれていた。
「亮、くん…」
「………」
声をかけても返事はない。
規則正しい呼吸音が聞こえるだけだった。
まだ昨晩の記憶が鮮明に残っている。
思い出して、耳が赤くなるのが分かる。
心臓も高鳴る。
「…もう、起きたの?」
「お、おはよう…ございます…。」
「どうしたの……顔、赤いよ?」
「へ……平気です、何でも…ないです…」
全部あなたのせいですとも。
まだ開ききっていない目で私のことを見る。
ぼさぼさの髪の毛で。
でも、体は程よく引き締まっていて。
「…まだ、寝てていいでしょ…?」
「…ど、どうぞ…。」
私がそういうとスッと目を閉じてまた眠りの世界へ入って行ってしまった。
なんだろ、緊張する。
初めてでもないのに…昨日散々甘やかされたからだろうか。