課長と私

………。


「ねぇ楓?」

「…んー?」

「ご飯、食べないの?冷めてると思うけど…」

「ん…何か、食べたくない…」


胃が…うけつけないっていうか
ていうか…緩奈が食べてるクリームパスタ、見てるだけで気持ちが悪い…ような…


「あんた、本当に大丈夫?」

「大丈夫…気持ちは、大丈夫。」

「医務室いく?」

「大袈裟だよ緩奈。…さ、戻ろうか。」


結局アイスティーとランチについてきたフルーツしか食べることが出来なかった。

自分でもわかる。最近の食生活の乱れ。
本当、どうしちゃったんだろう私の体は。

普通の風邪でないのは何となく分かっていた。

そして、そんな中事件が起きた。


この日は本当に具合が悪くて、欠勤しようか迷ったくらい。
当然彼にも止められた。

それでも行きたかった。彼といる時間がもっと欲しくて。
大丈夫だってごり押しで出勤してきた。


「楓!あんた今日は帰りなよ…」

「うーん……そ…だね……でも、もう時期に朝礼だし…」

「もう…じゃあ朝礼終わったら帰ろう?私もついて行くから。」

「ごめん…ありがと緩奈。」


困ったなぁ…こんなに具合が悪くなるとは……
頭痛いし体だるいし…
そうだ…夕飯何にしよう
今日は手抜き料理で我慢してもらおうかな…


「朝礼しまーす。」


朝礼の時間になって、同じ部署の松田くんの声が響く。
毎日行う軽いミーティングのようなものだ。


立たなくちゃ…


重い体に鞭を打って立つ。

…立てた、と思った。



「楓!!!!」


近くにいた緩奈の声がなぜか遠くから聞こえる。
ぼやけてはいるが、うっすらと開く目から、亮くんの焦っている顔が見えたと同時に意識が遠のいた。

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