体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「そういえば、夏なのになんでそんなに白いの? お前、引きこもり? いや夏こもり?」
「SPF50の日焼け止め塗ってるし、日傘さしてるし、アームカバーしてるし、昼間の外出時は紫外線対策ばっちりだもの」
「へえ……」

高校まで拓未と一緒に地元で過ごしていた綾香は、夏になると他の女子と同じように小麦色に日焼けしていた。ソックスの跡が白くて嫌だと言って、夏休みに入ると素足にサンダルを履き、ソックスの後を消すのにやっきになっていた。

いつから綾香は夏でも白くなったのか、去年の綾香、おととしの綾香……と、拓未は隣に座った綾香を見ながら、過去の夏の綾香を思い出してみる。

東京ではそんなに日焼けがタブーなのか。
< 116 / 324 >

この作品をシェア

pagetop