体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
その夜、ラインを通して全国のスタッフに、優の結婚ニュースが駆け巡った。

『ねえ、うちの講座の生徒の娘が、生美さんのお兄さんの優さんと結婚するんだって!』
と情報を流したのはもちろん百合だ。

『えーー!』
『うっそー!』
という驚きの短い返信が次々に返ってくる。

『あのニュースに出てた女性と?』
『違う。優さんと同じに会社に勤めているらしい』
『未来の社長夫人になるわけだ』

現在、沖田株式会社の社長は母の千里、副社長は父の勇になっているが、将来は優と生美の兄弟が継ぐことになっている。

地方のスタッフはまだしも、東京のスタッフたち、特に本校で働く女性たちは、無理だと思いながらも優もしくは生美との恋を夢見ていた。

本校では生美を始め、話題の華道家を呼んでのイベントなども頻繁に行っている。優もちょくちょく手伝いに駆り出され、皆、優と接することができるそんな機会を楽しみにしていた。
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