体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「うん」と返事して、生美が差し出した手を握る。
クリスマスイブの夜、ツリーの前で2人は初めて手をつなぎ、サンタ帽のひげのせいで顔半分が隠れた生美と美弥は笑みを交わしてけやき坂に向かった。

赤や白、青のライトで華やかにデコレーションされたけやきの木々。
華やかでロマンチックなイルミネーションを見ようとたくさんの人がおしかけ、クリスマスイブの夜8時前、オンタイムだけにマックスの人混みだった。

知り合いに出会ってもおかしくはない。
おかしくはないが、まさかちょうど正面から歩いてきたのは、今このとき、一番会いたくないカップル――優と綾香だった。
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