体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「そう。じゃあ私は岡山に帰って同級生のボンボンと結婚しようかな。今まで優さんと結婚するつもりだったから邪険にしてきちゃったけど、気心しれてるし、優しいし、それに結構お金持ちだしね」

綾香の身代わりの早さに優はがっかりもせず、ただ「結構逞しいんだな、こいつ」、と新鮮な気分で綾香を見た。

「そうか、頑張れよ」
「頑張れってエールを送られるのもなんだけど、今度こそさようなら。あ、でも友達ではいられるかしら」

急にさばさばした綾香の様子は、すでに友達に対するものだった。

1年前の執着心がさらっと落ちたかのような綾香に肩透かしを食らったような気分で、優は「ああ」と答え、それを聞くと綾香は「それじゃ」とフレアのスカートを翻して去って行った。


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