体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
2人で同時にサングリアのグラスを手にとり、ずずっとすする。

「先がない関係が疲れるものなんだって、今頃わかった。相手は結婚しているからいいけど、こっちだけが目的地のないまま走り続けるって感じ? それって虚しくなるのよ」

ふうん、と頷く。

「もっと若かったり、逆に結婚とか本当に興味がないくらいの年齢になっていたら先を考える必要のない恋愛も楽で楽しいんだろうけど。30歳って女の人生で微妙な歳じゃない? 結婚ていうゴールを目指すか目指さないかの分かれ道みたいな。それにさ、単純に一緒に旅行に行けないのも、祭日や年末年始に会えないとかも、もう無理! 日陰の身って、長引くととにかく疲れるのよ。最初は刺激と引き換えに我慢できたけど、もうto much!」

先がない関係か。

美弥は優との付き合いを考える。

10回の勉強会という枠を作って会い、体を重ねている自分たちはどうなのだろうかと。

勉強会と名付けて10回のデートをし、その先に何かが変わる可能性はあるのだろうかと。
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