体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
それとも結局は……と、考えて気分が沈む。


「で、断捨離なの?」

「そう。彼は結婚しているから、デートのときは決まってうちに来るわけよ。別れるっていってもさ、うちに来られたら多分部屋に入れちゃうと思うし、そしたらいつまでたってもずるずるするから、この際すべて片づけて、部屋も引っ越そうと思って。どうせ今年の秋が更新だし」

「それで、ふっきれるの?」

「今断捨離しなかったら思い出も、情も、どんどん積もって捨てきれなくなっちゃう。だから頑張って断捨って、ふっきるわよ」

意を決したように由美はグラスのサングリアをグイッと飲みほしたので、美弥はサングリアのピッチャーをとり、グラスぎりぎりまで注いでやった。

ちなみに1.5リットルのピッチャーはすでに2杯目がなくなろうとしている。
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