体から堕ちる恋――それは、愛か否か、
「飲みなはれ、飲みなはれ。そして新しい愛を育みなはれ」

「サンキュー。ほなら、すべて飲み干しまひょ」

ほろ酔いを超え、2人は共に本格的な酔いに突入し始めている。

小エビのアヒージョと一緒にパンを頬張りながら「私も断捨ろうかな」と美弥がこぼし、「そうそう、啓太の思い出なんて全部捨てちゃいなよ」と、由美がまたもやグラスを飲みほした。

「そうだね」、と笑いながら、いつのまにか啓太の傷はほとんど消えていることに美弥は驚き、その理由を考えて不安になった。
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