囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~




――石を投げればほにゃららにあたる。

そんな慣用句をたまに耳にする。ほにゃららの部分には、ハイブリットカーの名前が入ったりヲタクなんて言葉が入ったりと色々。
大勢人がいるなかに石をなげたらソレにあたるくらいソレが居る、という意味だ。

〝ソレ〟にあたる部分は多分、割とどんな言葉が入ったとしても当てはまると思う。
ハイブリットカーしかり、ヲタクしかり。

他には……。
例えば……そう、例えば、〝酔いつぶれて朝起きたら、ベッドの隣には知らない、もしくは知っている男が寝ていた人〟とか。

現代社会で、いわゆる〝朝チュン〟をうっかり経験してしまった人がどれくらいいるのかは知らないけれど。
少なくとも、そんな極小ってわけではないと思う。

漫画や小説でも定番の始まりになるくらいだし、きっと割合にしたら半数まではいかなくとも似たような人数いるんじゃないかと思う。

ただ……。
その〝朝チュン〟の相手が、数ヶ月前に振られた男だった……という人は一体どれだけいるだろう。
しかも、振られながらも、今現在まだその男のことが好きで好きで仕方ないという人は……世の中にどれだけいるんだろう。

その人をとっつかまえて、そんな事態になってしまったあとの対処法を教えてもらえないものかなぁ……。
と、隣で気持ちよさそうに眠る及川を眺めて頭を抱えた。


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