囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


「そうなんですか。でも一概には言えないでしょうし、あまり当てはまらなそうですけどね」
「そうでもないんじゃないかしら。だって魚座って年上の恋人がマストだって説もあるし。
ちなみに牡羊座は、ノリがよくて一緒に楽しめる同年代がいいらしいから……大崎くんとか、なんでも一緒に楽しめそうだし、相思相愛って感じするけどなー」
「……どうですかね」
「それにね、牡羊座は〝保護欲が強くてボロボロになってまで大事な人を守ろうとする〟って言われてるのよ。
大崎くんに対して母性本能とかくすぐられてるんじゃない?」

にやりとした笑みを浮かべながら言う花岡さんに、曖昧に笑いながら掃除をする手を動かす。

この会話は多分、私と大崎くんの仲を周りに意識させると同時に、〝星座占いに詳しい乙女な部分を持つ私〟を知らしめてるんだろうし。

「でも、すごいですね。そんなに星座に詳しいなんて」

そうに言っておけば満足なんだろうと思って、棒読みになりながらも言うと。
花岡さんは「女の子だもん。占いは誰だって好きでしょう?」と、笑った。

私もまぁ……嫌いではないけど。花岡さんのおかげでもう星座占いは信じたくないなと思う。

「花岡さんは何座なんですか?」

確か、誕生日は一月だった気がするけど……と思いながら聞くと「山羊座」と答えた花岡さんがにこりと微笑む。


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