愛されたい
朝、出勤しようと玄関に立ったところで、私(と彼)の部屋から上半身裸の彼が出てきた。

「もう出るの?まだ二時間しか寝てないよね」

「や、寝る時間で出勤時間決められないから」

そもそも、寝れなかったのは彼のせいだ。

「大変だね。僕はまだ寝るよ。起きたら、メールする」

「いらないよ。仕事の邪魔。朝ごはんはキッチンのシンクにラップして置いておいたから。昼は冷蔵庫の中身見て適当に作って。.....まあ、あんたのことだから昼に起きることはないだろうけど」



昨夜、この男は私へのホットミルクにコーヒーを混ぜやがった。カフェオレは好きだが、寝る前にカフェオレはきつい。ぜんぜん寝ることも出来ず、嫌々彼のお話相手になってあげた。

私は睡眠不足になるとすぐ風邪をひくことを忘れたのか。この男は。



「とにかく、もう行かないと遅刻だから。ちゃんと朝ご飯食べてから寝るんだよ」

「うん、いってらっしゃい」

いってきますの意味を込めて手をあげて、家を出る。

夜行性の彼氏を持つと本当に大変だ。
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