強引な彼との社内恋愛事情*2

「千花さん、どこいるんですか?」と、心配そうな声。


「えっと。海の家」


「海の家?」


「うん。駐車場に近いほうかな」


「急にいなくなるから、びっくりしました。俺も行っていいですか?」


「えっと」と、言うと、広重なりの演技なのか、「嫌がらないでくださいよ。あ、ほら村上がジュース呑みたいみたいなんで買いますし。お願いします。じゃあ、行きます」と、唐突に電話が切れた。


「もう」と言ったら、まだ、准一がそこにいた。別に電話が終わるのを待っててなんてほしくなかったのに。


「まだ、あの会社いるの?」と、准一が言った。


「うん」


「結婚とかしてるのかと思った」と、私の薬指をチラリと見た気がした。


「まだしてないけど」


最近結婚したって、准一の彼女から間違いなのか嫌がらせなのかわからない報告メールがきたていたから、


思わず「あなたは結婚したんでしょ?元カノなんかに声をかけないほうがいいんじゃない」と言ってしまいたくなったけど、飲み込んだ。


この人は私をなんだと思ってるんだろう。


そんなことより、早く立ち去ろう。


< 111 / 295 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop