強引な彼との社内恋愛事情*2
「千花さん、どこいるんですか?」と、心配そうな声。
「えっと。海の家」
「海の家?」
「うん。駐車場に近いほうかな」
「急にいなくなるから、びっくりしました。俺も行っていいですか?」
「えっと」と、言うと、広重なりの演技なのか、「嫌がらないでくださいよ。あ、ほら村上がジュース呑みたいみたいなんで買いますし。お願いします。じゃあ、行きます」と、唐突に電話が切れた。
「もう」と言ったら、まだ、准一がそこにいた。別に電話が終わるのを待っててなんてほしくなかったのに。
「まだ、あの会社いるの?」と、准一が言った。
「うん」
「結婚とかしてるのかと思った」と、私の薬指をチラリと見た気がした。
「まだしてないけど」
最近結婚したって、准一の彼女から間違いなのか嫌がらせなのかわからない報告メールがきたていたから、
思わず「あなたは結婚したんでしょ?元カノなんかに声をかけないほうがいいんじゃない」と言ってしまいたくなったけど、飲み込んだ。
この人は私をなんだと思ってるんだろう。
そんなことより、早く立ち去ろう。