死にたがりの私と 生きたがりの君

楓side









暫くして、やっと落ち着いた俺だけど
また高熱を出して、
今日はベッドから動けそうになかった。


「解熱剤を買ってきてあげたいけど………
楓を一人にするのは不安だなぁ」



なんか前にも、
同じよーなこと言ってたね?



まぁでも、こんな身体でも
男としてのプライドってものがある。


彼女にお守りして貰うなんて
情けない。本当に。


「大丈夫だから行ってきなよ。
必要なのは解熱剤だけじゃないだろ?
ゆっくり買い物しておいで」



俺も一緒に行きたいけれど、
さすがに帰り道がきつい。
山を越えないといけないし………。


まぁ、だからこそ本当は
美桜だけに行かせたくないんだけどさ。





あぁ………………俺って
どこまでも情けない……………。




結局、
"何かあればお互い連絡する"
と約束をして、半ば強引に
美桜を買い出しに送る。


本当はその間に夕飯とか
作っておきたいけど…………。
今日はさすがに起き上がれなかった。



キッチンへ向かう足取りは
覚束なくて……………
何度も床に倒れてしまう。


大人しくベッドに戻ることさえ、
壁をつたってやっとな感じだ……………。








真っ白な天上を見つめて、
仰向けになる。







赤茶色のモダン柄の天上に、
存在感のあるシャンデリア。





そうだ。

昔もこんな風にこの天上を
見上げたことがあったっけ。




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