雨と僕と私。

日常が変わる前日。

大学に着き、
なにひとつ変わらないまま、
過ごす1日。
変わらずペンを出し、
変わらず話を聞き、
変わらずぼーっとして、
変わらず前の人の頭を見たり、
なにひとつ変わらない日常は
嫌いじゃなかった。

授業が終わり、
大学を出て、
子供のようにはしゃいでいる
自分と同じ大学生を見ても、
なんとも思わなかった。
ただあいつらは、
なにが楽しいんだろうなって
ありきたりな言葉を
思い浮かべるだけだった。

しばらくして歩くと駅に着く、
ホームに行くと待たずに来る
電車。
少し香水がきつい女の人、
幅をとっている男の人、
騒がしい駅員。

こんな日常を見ると
都会に来たと言う事は実感させられる。

肩がぶつかり合う中、
目的地の駅に着く。

『まもなく新宿に停車いまします。』

ぶつかり合う肩をはけるように、
電車を出る。

ここに来た理由は、
最近日課になりつつある、
新宿の本屋に行く事だった。

俺の見た目は、
けして本を見るような見た目じゃない。
髪はお洒落染めをした金髪にマッシュ。
本を見るとは真逆な感じだった。

しばらく歩くて
目的の場所に入ると少しクーラーのきいた、
本の香りがする居心地の良い雰囲気に
変わった。

そしていつも通り、
面白そうな本を手に取り読み始めた。
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