その唇に魔法をかけて、
「卒業後はどうしてるの?」
「えっと……今、東京じゃないところで仕事してるんです」
「え!? そうだったの? なんか顔を見ないと思ったら……なんだ、自分のところで仕事してるわけじゃないんだ」
自分から打ち解けていくような橘の話し方に、美貴も次第に馴染んでいく。しかし、美貴は橘のフレンドリー過ぎる部分が密かに苦手だった。話し方がうまいのも昔、新宿のホストで培った賜物だろう。
父からこの高級クラブを引き継ぐという将来が決まっていたため、橘は自分でやりたいことは自由気ままにやってきた。そのせいか、自分の思い通りにならないとすぐに機嫌が悪くなるところがある。
「美貴ちゃん、なにか食べたいものある? 取ってあげるから言って」
「あ、あの本当に大丈夫です」
美貴がクラブへ到着してからいつの間にか数時間が過ぎていた。美貴は食べのもには手をつけず、先程から喉が渇いてカクテルばかりを飲んでいた。
「えっと……今、東京じゃないところで仕事してるんです」
「え!? そうだったの? なんか顔を見ないと思ったら……なんだ、自分のところで仕事してるわけじゃないんだ」
自分から打ち解けていくような橘の話し方に、美貴も次第に馴染んでいく。しかし、美貴は橘のフレンドリー過ぎる部分が密かに苦手だった。話し方がうまいのも昔、新宿のホストで培った賜物だろう。
父からこの高級クラブを引き継ぐという将来が決まっていたため、橘は自分でやりたいことは自由気ままにやってきた。そのせいか、自分の思い通りにならないとすぐに機嫌が悪くなるところがある。
「美貴ちゃん、なにか食べたいものある? 取ってあげるから言って」
「あ、あの本当に大丈夫です」
美貴がクラブへ到着してからいつの間にか数時間が過ぎていた。美貴は食べのもには手をつけず、先程から喉が渇いてカクテルばかりを飲んでいた。