その唇に魔法をかけて、
※ ※ ※

 世の中には、どうあがいても運命には逆らえないことがある。

 結納が差し迫る中、美貴はこのままどこかへ逃げてしまおうかと考えた。花城のいる台湾へ逃げてしまいたい。

 そう思って何度自分のパスポートと向き合ったかわからない。けれど、そんな暴挙に出ることもできず、ついにこの日を迎えてしまった。
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