My hero 〜種明かしをしよう〜
もう時間が無いと知った日
姉と2人で、病院の休憩室に座っていた。
夕暮れの日差しがとても眩しくて
どうしようもない現実に、打ち拉がれながらも
窓辺に見える景色の美しさに、惹かれた。
テーブルに肩肘をついて顔を支える姉とは
一度も顔を合わせなかった。
彼女は、わざと顔を背けていた。
その横顔からは、涙が零れ落ちて
夕焼けの茜色の中で、静かに声も出さないでいた。
一番、強がっていた人がそんな風に涙する姿を初めて見た。
過ぎ行く時を、心に刻んでいたのだろう。
私は、あの日を生涯忘れない。