My hero 〜種明かしをしよう〜


もう時間が無いと知った日


姉と2人で、病院の休憩室に座っていた。


夕暮れの日差しがとても眩しくて


どうしようもない現実に、打ち拉がれながらも


窓辺に見える景色の美しさに、惹かれた。




テーブルに肩肘をついて顔を支える姉とは



一度も顔を合わせなかった。



彼女は、わざと顔を背けていた。



その横顔からは、涙が零れ落ちて



夕焼けの茜色の中で、静かに声も出さないでいた。


一番、強がっていた人がそんな風に涙する姿を初めて見た。






過ぎ行く時を、心に刻んでいたのだろう。



私は、あの日を生涯忘れない。



< 15 / 17 >

この作品をシェア

pagetop