My hero 〜種明かしをしよう〜
たまに帰ってきたときには
ヒーローとの接し方が分からなくなっていた
何故か、一緒にいることが億劫に感じて
自分から近くにいることを遠ざけた
一番最低だったのは
あの日のこと
久しぶりに家でゆっくりできたヒーローと
始めは一緒の部屋に居たのに
どうしてか逃げたくなって
隣の畳の部屋に一人篭っていた
しばらくしたら
ヒーローもその部屋に用事があったみたいで
同じ部屋に足を運んだ
それがとても落ち着かなくて
また違う部屋に私は逃げた
古いテレビを置いた部屋で
普段はあまり使われないところ
ここなら、誰もこないって思っていたら
またヒーローが私のいる部屋を通った
襖は夏だから開けていて
風通しを良くしていたから
誰でも通れた
でもそのときの私は
なんで、せっかく違う部屋にきたのに
またこっちについて来たんだろうと
嫌な気持ちになった
あまりに我が儘で、誰の気持ちも考えていなかった
ヒーローは決して私に付いてきたわけじゃない
必ず用事があってその部屋に来ていただけだった
作業をしていた姿はもう思い出せないけど
私との会話はほとんど無かった
けど、二つ目の部屋で遭遇したとき
ヒーローはこんなことを言った
ごめんな。
って言った
その後何か理由を話していたけど
それを思い出せない
ただ、付いてきてるわけじゃないんだってことを伝えていた
私がわざと離れようとしてることに気付いていた
もうあれから、10年以上経つけれど
今だにあの日の自分を赦せない
ごめんなって言われた時
なんであんなこと言わせちゃったんだろうと
どうして弱ってる心を傷つけるようなことしてしまったんだろうと
心底、自分が嫌になった