My hero 〜種明かしをしよう〜


二つ目の後悔はもう家に帰ってこられなくなっていた日々のこと


ヒーローは病院のベットにいた


日に日に痩せ細っていく体を見るに耐えなくて


病院にもほとんど行った記憶がない




わたしの知らないヒーローが


そこにはいた




決して泣かなかったヒーローを


泣かせてしまったのは私



良かれと思って一人でお見舞いに行った


最初は一人きりの訪問に緊張もあってか


ぎこちないけど、何とか話を持たそうと


必死に話しかけていた



そんなとき、ヒーローにとって私と同じ立ち位置のある人の話をした


もうすぐ帰ってくるよ、って


きっとすぐに会えるよってそんなことを言ったと思う


遠くに離れていてなかなか会えないけど


その子もヒーローのことをすごく心配していたから


つい帰ってくる日も分からないのに


ヒーローに笑顔になってもらいたくて


不確かなことを口走った



そうしたら、今までの表情が一気に崩れて


突然、ヒーローは泣きじゃくった


彼女はいつ帰ってくるんだ、と


約束もできない不確かなことで


私はまたヒーローを傷つけた





泣き虫だったのは、私の方だったのに


いつの間にか


大事なものを見失って


ただ、ひたすらに


変わっていくヒーローを見つめることしか


できなかった


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