大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「え………なにこれ?」




登校中の生徒たちは、ガードレールや植木にぎりぎりまで寄っている。


まるで何かを恐れるように。



そして、その目はずっと後ろのほうに釘付けになっている。


今から起こることに怯えているように。




あたしは呆然として道の先を見つめる。



映画か何かで見た、海が左右に分かれて道が出来る場面を思い出した。



たしか、モーゼの出エジプトとかなんとかいうやつだったっけ?



奴隷扱いをされていたユダヤ人たちを率いてエジプトから逃れるモーゼの前で、海が割れて逃げ道が………って、そんなことは今どうでもいい。



目を凝らすと、割れた道のど真ん中、ずっと先のほう、みんなの頭より一つ分くらい高いところに、なにか赤いものが見える。



なんだろう、あれ?



その赤いものはゆらゆらと左右に揺れながら、どんどん近づいてくる。


近づけば近づくほど、道の両側にいる生徒たちが肩を竦めて目を逸らしていく。




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