大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
龍生は小さく笑って、あたしの鼻を軽くつまんだ。


その瞬間、どきりと心臓が跳ねる。



………なぜだか最近、龍生が近づいたり、龍生に触れられたりすると、落ち着かなくなってしまう。


あたしは思わず顔を背けた。



「………じゃあ、放課後になにかあるの?」



苦し紛れに訊ね返すと、龍生はこほんと咳払いをした。



「まあ、な………。

お前には世話んなったから、なんかおごってやろうかと思って、な」



「えっ、おごり!?」



あたしは目を輝かせて龍生を見上げた。



「おう。おごってやる」


「まじでー!?」


「まじだよ」



龍生がにやりと笑って頷く。



「鞠奈が食いたいもん、なんでもおごってやる」


「えー、どうしようかなー」


「放課後までに考えとけよ」


「りょーかい!」




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