大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「…………コブン?」




すぐ後ろで、呆気にとられたような声がした。



はっとして振り返ると、そこには唖然とした表情で龍生を見つめる有香の姿。



その瞬間、周りにはたくさんの人がいたことをあたしは思い出した。




慌てて周囲を見渡すと、みんなぽかんと口を開いたまま、向かい合うあたしと龍生を交互に見ている。




ーーーはっ、恥ずかしいっ!!



あたしは龍生をひと睨みしてから俯き、くるりと踵を返す。



そして、有香の腕をつかみ、「行こっ!」と言って、脱兎のごとく駆け出した。




…………あぁもう、最悪だ!!



今日は、花の女子高生ライフが始まる記念すべき日なのに!!



まさか龍生に再会するなんて、最悪すぎるーーーっ!!




あたしは絶望に打ちひしがれながら、


「待て、まりな! ばかやろう!」


と叫ぶ龍生の声を背中で聞きつつ、全力疾走で校門を通り抜けた。




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