【完】俺のカノジョは生徒会長
ザザーン、ザザーン
波の音が聴こえてくる。
どこからか虫の声がして、ああもう秋なんだなと実感する。
やっと涙は収まって、俺の心も落ち着いてきた。
その頃を見計らっていたのか、宇宙姉ちゃんが俺に一通の手紙を差し出した。
「これ、紗良ちゃんから。あの子、いい子だね。雷が好きになった気持ち、分かるな」
俺はふっと笑った。
「ちげぇよ。あいつが俺に惚れたの」
「そうなんだ。でも、最終的には雷もベタ惚れだろ」
宇宙姉ちゃんはそう言って笑った。
「まあな」
「いいな、そういうの」
宇宙姉ちゃんの横顔が、ふっと、寂しいものに変わる。
俺はそんな空気に耐えられなくて、宇宙姉ちゃんに提案した。
「帰ろっか」