結生
飛ぼうとして忘れた。
ただの波の音だけが響いている。
波の音は、不快に感じない。

大きな船が通る。

周りには、初々しい恋人たちや、
透き通るようなブロンドヘアーの
外国人。

そんな中にどこにでもいそうな、
僕。

都会の中に観光スポットとして、
称されている、海が見える公園に、
僕は毎日のように来ていた。

僕の名前は、
❪ゆうき❫
ちょうど20歳になる年だ。

日本人の父親の顔は覚えてないほど、
僕が幼い頃に亡くなった。
ロシア人の母親は幼い頃に男を作って、
出ていったらしい。

そんな僕をそだててくれたのは、
祖母だった。

ただ祖母も僕が高校を卒業すると共に、
亡くなってしまった。

そう、僕は1人だ。

ただ世界で1番自分が不幸だなんて、
構ってほしいような発言は、
1番大嫌いだった。

だって、1人で生きていかなきゃ
いけない。

悲しい気持ちも、楽しい気持ちも、
いらない。

そんな感情をもってるから、
みんな1人で生きれないんだ。

そう僕は、毎日、毎日、
思っていた。
ただ時間だけが流れて、
あの1ヶ月。
僕は、救われていたのかも、
しれない。
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